中小企業診断士 二次試験 令和元年 再現答案セルフ分析します〈事例Ⅱ〉
どーも、かまかまです。
先日はバレンタインデーでしたが、いつもと変りなく過ごしました。もしかしたらここ数日奥さんがよく買っているサンマルクのチョコクロがバレンタインと関係があったのかもしれませんが…。
さて、先週に引き続き令和元年二次試験の再現答案をセルフ分析していきたいと思います。
今回は事例Ⅱです。事例Ⅱは各受験校の解答例を見ても自分の解答とは全然かけ離れており、ぎりぎりとはいえ、A評価が取れた要因が一番わかりませんでした。
得点開示61点、EBA評価 C、AAS評価 C、LEC評価 B
目次
第1問(配点20点)
設問文
小型ショッピングモール開業を控えた2019年10月末時点のB社の状況につい て、SWOT分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ40字以内で説明すること。
出題の趣旨
B社内外の経営環境を分析する能力を問う問題である。
再現答案
強みは①技術の高さや提案力②店の落ち着いた雰囲気③商店街の他店との良好な関係。
弱みは①商店街の中心から離れた立地②2人施術すれば満員の店の狭さ③店舗の老朽化。
機会は①一定の市場があり需要が伸びている②商店街周辺の高級住宅地③10代が多いこと。
脅威は近隣にショッピングモールが出店し、大手チェーンの低価格ネイルサロンが出店。
セルフ分析
出題の趣旨を読んでも「経営環境を分析する」問題とあり、基本的なSWOT分析の問題です。
強みは他の方の解答を見ても「デザイン力」「技術力」「提案力」「接客力」が多く挙げられています。また、何人かは「店の落ち着いた雰囲気」や「他店との良好な関係」を挙げています。弱みはほとんどの方が「中心から離れた立地」「店の狭さ」を解答しています。強みと弱みについては、他の方と大差はないのですが、強みで「落ち行いた雰囲気」と書いときながら、弱みで「店の狭さ」を答えているので、どちらかは得点になっていない可能性があります。
機会は「行事が盛ん」「一定規模の需要がある」などが多く、高得点の方は「主要顧客の40代が多い」と記述しています。二次試験のセオリーとして経営分析で抽出した強みや機会をその後の問題に生かすことがあり、私は機会に③を入れました。脅威は「大手チェーン店」以外にも「自宅サロン」を多くの方が書かれているので、自宅サロンを解答していないことは得点を失っていると思われます。
第2問(配点30点)
B社社長は初回来店時に、予約受け付けや確認のために、インスタント・メッセン ジャー(インターネットによるメッセージ交換サービス)のアカウント(ユーザーID) を顧客に尋ねている。インスタント・メッセンジャーでは個別にメッセージを配信で きる。 このアカウントを用いて、デザインを重視する既存顧客の客単価を高めるためには、個別にどのような情報発信を行うべきか。100字以内で助言せよ。
出題の趣旨
B社顧客個々の状況に合わせたコミュニケーション方法を提言する能力を問う問題である。
再現答案
発信する情報は①行事やイベントに合わせたデザインや、季節感のある凝ったデザインの写真②個別の行事やイベントのお知らせ③前回のネイルをリムーブするタイミングで、来店頻度を向上させ、商品単価向上を図る。
セルフ分析
出題の趣旨では「顧客個々の状況に合わせたコミュニケーション方法」を問う問題とあり、設問文と合わせると「デザインを重視する既存顧客の客単価を向上させるためには、顧客個々の状況に合わせて情報を発信する必要がありますが、その情報は何ですか?」ということになります。
①は多くの方が書かれており、デザインを重視する既存顧客に合う解答になっています。②は個別の状況を考慮した情報ですが、実現性の面から言えば怪しい解答です。③は個別の情報ではありますが、これにより客単価が向上することはないので得点にプラスされるか厳しいと思います。さらに、「客単価向上を図る」と書くべき効果を「商品単価向上を図る」と解答しており、この部分も得点になっていないと思われます。
第3問(配点50点)
B社社長は2019年11月以降に顧客数が大幅に減少することを予想し、その分を補うために商店街の他業種との協業を模索している。
設問1
B社社長は減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客のトライアルが必要であると考えている。どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得すべきか。理由と併せて100字以内で助言せよ。
出題の趣旨
B社の状況や目的に応じて、協業相手やターゲットを提言する能力を問う問題である。
再現答案
衣料品店や宝飾品などのファッション関連の店と協業し、全国より多い10代女性の獲得を図る。理由は衣装やアクセサリーとの組み合わせたコーディネート提案ができ、卒業式や結婚式のイベントへの提案も可能な為。
セルフ分析
出題の趣旨では「状況や目的に応じて、協業相手やターゲットを提言」する問題とあります。B社の状況とは第1問で分析した状況であり、目的とは「協業を通じた新規顧客のトライアル」を獲得することです。そのために必要な「協業相手」と「ターゲット」、そしてその「理由」を答える問題です。
再現答案では協業相手を「衣料品店や宝飾品などのファッション関連の店」としていますが、高得点の方は「貸衣装チェーン店」としており、協業相手については得点できていない可能性があります。ターゲットは「全国より多い10代女性」としています。ここは「全国より多い」の修飾語も含めて得点できていると思います。ただし、「40代女性」を書かれている方も多くこちらが正解かもしれません。個人的には、与件文に現在の主要顧客として「顧客の大半は従業者と同世代」とあり社長とYさんは共に40代なので、新規顧客を答えるこの問題では「40代女性」ではなく「10代女性」と解答しました。理由については「コーディネート提案」や「卒業式や結婚式のイベントへの提案」は現在のB社の状況で可能であり得点につながっていると思います。
設問2
協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるために、初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべきか。価格プロモーション以外の提案について、理由と併せて100字以内で助言せよ。
出題の趣旨
B社の強みを活かし、新規顧客との長期的関係性を築く施策を提言する能力を問う問題である。
再現答案
提案は①顧客の要望に合ったデザイン、もしくは顧客の期待以上のデザインを提案②参加する卒業式や結婚式等のイベントの雰囲気に合ったデザインを提案する、ことで顧客満足向上を図り、愛顧を高め固定客化を図る。
セルフ分析
出題の趣旨では「強みを活かし、新規顧客との長期的関係性を築く施策」を問うとあり、設問文で「初回来店時に店内での接客を通じて」との条件付けもあります。
再現答案では第1問で答えた「提案力」が入っておりその部分には得点が入っていると思われますが、①、②ともにデザイン提案としか書けていないため、得点が入っているのはどちらかだけかもしれません。「顧客満足向上を図り、愛顧を高め固定客化を図る」は「固定客化」が「長期的関係性」と合致しており、得点につながっていると思います。
最後に
この再現答案で6割の得点が取れていることを考えると、第1問で7割、第2問で5割、第3問両方で6割ぐらいの得点だったと思います。「弱み」で「自宅サロン」を書けていなかったり、「協業相手」で「貸衣装チェーン店」を書けていなかったため、全然できていなかったイメージがあった事例Ⅱでしたが、他の部分できっちり稼げていたのかもしれません。もしくは得点調整により救われているだけなのかもしれませんが…
なお、この答案分析は出題の趣旨と何人かの再現答案をもとに、あくまで個人的に分析したものですので、実際の解答とは異なる可能性がございますのでご了承ください。
事例Ⅰ~Ⅳすべての再現答案を公開したブログ記事はこちら
事例Ⅰセルフ分析はこちら
事例Ⅲセルフ分析はこちら
『企業診断』2020年2月号に事例Ⅰ事例Ⅱの分析が載っています。
今日の「愛され妻」
おかしい…、六花亭のチョコを渡したんだけれどなぁ…。
それに晩御飯のおかずは唐揚げだったのになぁ…。
(揚げ物は男性に人気でしょ!? バレンタイン特別サービスで買ってきたのです。)