中小企業診断士 二次試験 令和元年 再現答案セルフ分析します〈事例Ⅰ〉
どーも、かまかまです。
本来ならこの時期に実務補修に行きたかったのですが仕事の都合で断念し、行かれている方のTwitterなどを見ながら何もしていない状態の自分に焦りを感じている今日この頃です。
さて、今回から令和元年に受けた二次試験のセルフ分析を行います。
出題の趣旨や他の人の答案も参考に良かった点や足りなかった点をまとめていきたいと思います。
今回は事例Ⅰです。
得点開示74点、EBA評価 A、AAS評価 B、LEC評価 B
目次
第1問(配点20点)
設問文
A社長がトップに就任する以前のA社は、苦境を打破するために、自社製品のメンテナンスの事業化に取り組んできた。それが結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由は何か。100字以内で答えよ。
出題の趣旨
事業再建のための新規事業開発において、経営者が考えるべき戦略的課題に関する分析力を問う問題である。
再現答案
最大の要因は売上減少と費用増大で収益を上げることができなかったから。具体的には①市場の縮小とメンテナンスにより売上が減少し②客からの依頼に対応する為に膨大な数の部品を在庫した在庫費用が大きくなったから。
セルフ分析
出題の趣旨からすると、新規事業における戦略的課題を答えさせることが趣旨となっています。設問文と合わせて考えると、「自社製品のメンテナンス事業は、新規事業開発に必要な戦略的課題が解決できなったから成功しなかったので、その理由を答えてください」ということになります。
そこで再現答案ですが、戦略的課題を「収益を上げること」とし、その理由として「売上減少」と「費用増大」を挙げ、それぞれ①と②で補足する形をとっています。問題文にある「ビジネスとしての成功」とは何であるかを考えると、事例Ⅱでさんざん答えている「売上増加」や「収益増加」のことを指していると思われ、それに沿って解答を作成しています。
他の方の解答を見ると「コアテクノロジーの活用ができていなかった(内部要因)」や「市場環境の悪化(外部要因)」を書かれている方もいますが、高得点の方は「売上低下」と「コスト増大」を書かれている為、「売上減少」と「費用増大」は大きなポイントになったと考えられます。
第2問(配点20点)
説問文
A社長を中心とした新経営陣が改革に取り組むことになった高コスト体質の要因 は、古い営業体質にあった。その背景にあるA社の企業風土とは、どのようなものであるか。100字以内で答えよ。
出題の趣旨
企業体質および企業風土の形成要因とその関係について、理解力を問う問題である。
再現答案
企業風土は、厳しい規制に守られた参入障壁の高い業界で、多額の補助金が生産者に支給され売上が維持できた為、改善に取り組むことがなく、手書き帳簿や全社的な計数管理が行われないなど、前近代的な企業風土である。
セルフ分析
問題文では「企業風土はどのようなものか」であるのに対し、出題の趣旨では「企業体質および企業風土の形成要因とその関係」について答えを求めています。
再現答案では「形成要因」として業界構造を書き、その結果前近代的な「企業風土」が形成されたとしています。「形成要因」は問題ないと思われますが、前近代的な企業風土については設問文では「前近代的な経理体制」となっており、この部分への得点は微妙な感じがします。それよりも「新しい事業に取り組むことを古参社員が受け入れるはずもなかった」を要約した「改善に取り組むことがなく」の部分が得点につながっていると思われます。
解答の流れとして、規制に守られた業界で成功してきた→その成功により古き良き時代があった→その時代を経験している古参社員いるため新しいことに取組まない企業風土となっている、という感じでまとめられたら高得点になった思います。
第3問(配点20点)
設問文
A社は、新規事業のアイデアを収集する目的でHPを立ち上げ、試験乾燥のサービ スを展開することによって市場開拓に成功した。自社製品やサービスの宣伝効果など HPに期待する目的・機能とは異なる点に焦点を当てたと考えられる。その成功の背景にどのような要因があったか。100字以内で答えよ。
出題の趣旨
市場動向とホームページなどを活用した情報戦略の関連性について、理解力を問う問題である。
再現答案
要因は①独自で切り開くことができたのは既存市場だけだったので、潜在市場見えない顧客に用途を問う必要があった②顧客のニーズが把握できた③新規事業の基盤が固まった④営業が功を奏した為である。
セルフ分析
出題の趣旨ではHPでの展開が成功した背景の要因として「市場動向と情報戦略の関連性」を求めています。したがって「市場動向」と「情報戦略」について解答する必要があります。
再現答案ですが①は何とか市場について解答しており、②はHPをホームページを活用した情報戦略として得点につながっていると考えますが、③と④はほとんど得点になっていないと思われます。
他の方の解答を見ていると、ニーズの把握は同じですがチャンネルの構築を書かれている方が多くいました。戦略を問われていることを考えれば、市場の動向を踏まえて、4Pの観点からプロダクトとしてニーズの把握、プレイスとして販売チャネルの構築を解答することがポイントであったと考えます。
第4問(配点20点)
設問文
新経営陣が事業領域を明確にした結果、古い営業体質を引きずっていたA社の営業社員が、新規事業の拡大に積極的に取り組むようになった。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で答えよ。
出題の趣旨
新規事業の営業力強化にとって必要な意識改革を実践する経営施策について、理解力・ 分析力を問う問題である。
再現答案
要因は①コアテクノロジーを農産物の乾燥技術と明確に位置づけ共有した②コンサルタントの知恵を活用した③成果に応じて賞与が支払われてモラールが向上した④人員削減により年齢10歳下がり組織活性化が図れたから。
セルフ分析
出題の趣旨では「営業力強化にとって必要な意識改革を実践する経営施策」を解答することが求められています。セル問文と合わせると「古い体質から脱却し積極的に取組むために行った経営施策」は何なのかを問われています。
再現答案では①~⑤までほとんど「意識改革を実践する経営施策」に当てはまります。しかし②は行った経営施策ではありますが、それにより意識改革が実践できたか微妙な感じがします。さらに他の解答ではモラール向上や組織活性化など効果が入れられているのに、②だけは効果が入れられていなかったことも、あまり得点に結びついていないと思われます。
この問題ではほぼ皆が同じように、コアテクノロジーの明確化、人員削減、成果報酬によりモチベーションが向上したことを挙げており、落としてはいけない問題であったことがわかります。
第5問(配点20点)
設問文
A社長は、今回、組織再編を経営コンサルタントの助言を熟考した上で見送ることとした。その最大の理由として、どのようなことが考えられるか。100字以内で答えよ。
出題の趣旨
組織再編を実施する際の条件に関する分析力を問う問題である。
再現答案
最大の要因は現状の機能別組織が上手く働いているから。具体的には①各部門を役員が統括し社長が目配りでき統そつがとれている②機能別組織が効率的に働いている③古参社員からの反対の可能性があるからである。
セルフ分析
出題の趣旨では「組織再編を実施する際の条件」を問う問題だとしています。設問文と合わせて考えると、「A社は組織再編を実施する際の条件を満たしていないから組織再編を見送ったのですが、その最大の理由とは何ですか?」となります。
再現答案では「現状の機能別組織が上手く働いている」ことを最大の理由にその補足として①~③を解答しています。①については問題なく得点になっていると思いますが、②は最大の理由として挙げている「上手く働いている」とほとんど同じで、これには得点が入っていないと思われます。また、③は最大の理由に対しての具体的な例にはなっていませんが、これ単独で見ると理由として成り立つため、少しは加点されているのではないかと思います。
他の方の解答を見ても、社長のリーダーシップ、営業力やノウハウの蓄積等、機能別組織のメリットを挙げてそちらに注力する事を理由として挙げられていました。
最後に
今回セルフ答案分析をした感じでは、第1問・第2問・第4問で得点が入って、第3問・第5問で失点していると思われます。特に第1問と第4問では大きく得点を稼げていると思います。
なお、この答案分析は出題の趣旨と何人かの再現答案をもとに、あくまで個人的に分析したものですので、実際の解答とは異なる可能性がございますのでご了承ください。
事例Ⅰ~Ⅳすべての再現答案を公開したブログ記事はこちら
事例Ⅱセルフ分析はこちら
事例Ⅲセルフ分析はこちら
『企業診断』2020年2月号に事例Ⅰ事例Ⅱの分析が載っています。
今日の「愛され妻」
月曜日は、今日の「愛妻家」を書いてと頼んだのですが、却下されました。
とても残念です。
それでもブログを書いてくれるだけありがたいので、気持ちよく続けてもらえるようにしたいです。
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