【読書】教養としての「所得税法」入門ー法人税法は所得税法から独立して誕生した!
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教養としての「所得税法」入門 木山 泰嗣 著 を読みました。
この本は、教養としての「税法」入門の続編にあたるものです。
所得税法の歴史的変遷から裁判例、所得税法の課税の仕組みなど盛りだくさんな内容です。なぜ給料や報酬から源泉所得税が天引きされるのか? 所得税法とはよくよく練り上げられた法律なんだなぁと感心すること請け合いです。
目次
所得税法はいつできた?
1887年(明治20年)に制定された当時は、たった29条しかありませんでした!現行法の10分の1程度です。憲法制定前で国会も開設されていないころに所得税法は誕生しました。もしもこのころに税理士試験があったならば、理論暗記の範囲が少なかったんだろうなぁと羨ましくなってしまいます。もちろん、租税特別措置法もありませんしね。
法人税法は所得税法から独立した!
なんと、所得税法が制定された明治時代には法人税法はまだ存在していなかったのです。
1899年(明治32年)改正の所得税法で、第一種所得税として法人の所得に対して課税されるようになりました。法人税法として制定されたのは1940年(昭和15年)、太平洋戦争の戦費調達のためだったとか。言うなれば、所得税法が親で法人税法が子のようなものでしょうか。
所得税法は人情の法律
この言葉は、所得税法の担当講師が最初の授業で説明してくれたものです。
個人の事情に配慮して税金を課す、課税の公平性を確保する、こういった視点からこの本を読んでみると、なかなか人情味のある法律だなぁと感じ入ってしまいます。所得税法を受験しないアナタにも是非ともお勧めしたい書籍です!
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