そうだ、比叡山へ行こう!その5:明王堂
税理士試験受験生応援ブロガーくまお(@kumaco55)です。
奇跡のような偶然が重なり、明王堂での護摩にお参りできました。
こちらでは、千日回峰行を達成された大阿闍梨様が輪番(りんばん)を務めておられます。
目次
明王堂の護摩
毎日午前11時より、大阿闍梨様が護摩を修法なさいます。(特別なお勤めがない限り)
どなたでもお参りできます。
もちろん護摩木にお願い事を書くこともできます。
正座が難しい方のために椅子やクッションのご用意があります。
大阿闍梨様がいらっしゃる時刻になると鐘の音で合図があります。
御本尊様は不動明王様ですが、秘仏のため、通常は非公開です。
不動明王様の前に、お前立(おまえだち)の仏様がいらっしゃいます。
その仏様の瞳が、暗いお堂の中で護摩の炎に照らされて光っているように見えました。
大阿闍梨様の護摩は、言葉では言い表すことのできない迫力でした。
大阿闍梨様はお堂の内陣で真言をお唱えになっています。
それなのに、お堂全体から大阿闍梨様のお声が響いてくるようでした。
後ろにスピーカーでもあるのかな?と振り返ったくらいです。
しかも、決して大声を張り上げているわけではないのです。
大阿闍梨様が印を結ばれるお姿に合わせて、護摩の炎が大きくなったり小さくなったり。
まるで美しい舞踊のようで、見惚れてしまいました。
最後に、大阿闍梨様が参列者全員にお数珠でお加持をしてくださいました。
お手にしたお数珠で、頭と両肩をトントンしてくださるのです。
小一時間ほどのとても不思議な体験でした。
護摩のあとはお食事
護摩の後は庫裏(くり)に移動して、お昼ご飯をいただきました。
食事作法(じきじさほう)を守って、感謝の気持ちを込めて心静かにいただきます。
お坊さまが説明してくださった食事作法です。
・お残しはしてはいけない。無理なときは食べられる量を先に申告して減らしてもらうこと。
・音を立てない。ことさらに音を立てないようにして、麺類はすすっても構わない。
・器はすべて手に持っていただくこと。
・口をつけてもよいのは汁椀のみ。
・最後に洗鉢(せんぱつ)をするためにたくわんを一切れ置いておくこと。
・洗鉢は、飯椀に注いだお茶を全ての器に移しながら洗い、最後に汁椀へまとめて飲み干すこと。
皆さんお食事がはやくて、食べるのが遅い私は急ぐあまりにお漬物の器を持ち上げずに食事をしてしまいました。
指示されたことを指示された通りに行う、なんと難しいことかと実感しました。
「このくらい構わないだろう」というような勝手な判断はいけませんね。
大阿闍梨様のお話
お食事のあとは、希望者のみ、大阿闍梨様のお話を伺うことができます。
皆さんに続いて私も一緒に伺うことができました。
千日回峰行のさいにお使いになった草鞋や蓮華笠がお部屋に飾られていました。
お茶をいただきながら、皆さんが順々に話をします。
大阿闍梨様は静かに耳を傾けて、そして先人の大阿闍梨様の逸話を交えながらお話ししてくださいます。
和やかに話が弾みます。
初心者の無知な質問にも嫌な顔ひとつせずにお話ししてくださいます。
自分を振り返って考えると、前に答えたことを何度も聞かれると嫌になるのは心が狭いなと反省しました。
大阿闍梨様と目が合った(ような気がした)ので、自己紹介をしました。
すると、あっ!という表情をされて、「浴酒供の」とおっしゃってくださいました。
私が護摩木に書いたお願い事を、ありがたいことに覚えてくださっていたのです。
どれだけ多くあっても、ひとつひとつ護摩木を丁寧に読んでくださっているのだなと感激しました。
それから、浴酒供のお話をしてくださいました。
浴酒供に使われるお鍋のことを「フライパンのような」とおっしゃっていて、思うことは同じなんだなと畏れ多くも勝手に親近感を覚えました。
お酒は苦手だけれど浴酒供のお好きな大阿闍梨様がいらしたことや、大黒様にはお酒ではなくてお粥をそそぐ浴餅(よくべい)供が行われることなど、とても興味深いお話でした。
今日の「愛され妻」
「ふたつも腕輪してるから、もう腹立たへんねん」と夫に言ったのですが、修行の足りない我が身、やはり怒ったりしてしまいます。そんな私に夫は「今日は腕輪し忘れたん?」と聞いてきます。
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