税法免除 大学院 租税法の修士論文には裁判例が必要なのか?

リボンの騎士

税理士試験受験生応援ブロガーくまお(@kumaco55)です。

「修士論文や研究計画書のテーマ選びには租税判例百選などで判例を探しましょう。」と、繰り返しお伝えしています。

「なぜ判例を選ばないといけないのか?」というご質問をいただいたので、一緒に考えてみましょう。

論文とは、論ずるもの

修士論文は論文ですので、何事かを論ずる必要があります。

論ずるとは何なのか。
Google先生によりますと、論ずるとは「筋道を立てて、物事を説明するのこと」だとか。

単に「自分はこう思う」と述べるだけでは論じたことにはならないのですね。

ある事例に対して、条文はこうである、判例はこう判示している、学者先生はこう評している、これらを整理するとこのような問題点がある、だから自分はこんな解決策を考えた、というような内容だと論じているといえそうです。

裁判のあるところ、論点あり

裁判で争うくらいですから、訴えた側・訴えられた側それぞれに言い分がありますよね。
一つの事実に対して、真っ向から対立する裁判はたくさんあります。

それって論点だと思いませんか?

裁判のあるところ、評釈あり

裁判では、何らかの判断が下されます。
その裁判所の判断に対して、その分野を研究している学者先生方はご自身のお考えや意見を繰り広げられます。
いわゆる判例評釈といわれるものです。
面白いことに、裁判所の判断に賛成の評釈もあれば、反対の評釈もあるのです。

それって比べてみたら論点になると思いませんか?

先行研究・事例のない論文は成立するのか

税理士を目指す受験生や大学院生は、そのほとんどが法学を研究する学者先生ではありません(よね?)。
つまり、法学の素人なわけです。
租税法一筋ウン十年の学者先生と比べたら赤子のようなものです。

厳しいことを言いますが、そんな素人が裁判も何もないところから修士論文のテーマを見つけられるでしょうか。

よしんばあったとしても、それを2年間という限られた時間の中で、資料を探して比較分析して一定の結論を示す修士論文まで完成させることが可能でしょうか。

その探求心は見上げたものですが、税理士になるという目標からすると遠回りになりそうです。

オリジナリティはほどほどに

私が選んだ所得税法56条は、多くの方の研究テーマに選ばれている、いわば手あかのついた論点です。
しかし、その分だけ判例評釈もたくさんあります。

「みんなが選んでいるものと同じなんてつまらない」と思うかもしれませんが、それで良いのです。
同じテーマでも、どの部分にフォーカスするかによって修士論文の内容にオリジナリティを添えることは可能ですから。

判例と裁判例の違い

判例と裁判例、どちらも裁判の先例のことですが、一文字違いで大違いです。

判例

最高裁判所によるもののみを指します。
法的拘束力を有し、その後の裁判で異なる判断をすることが基本的にできません。
(判例と異なる判断をするときは、判例変更と言い、大法廷で審議されます。)
判例は「判例法」といわれることもあります。
最高裁判所の裁判は法律審といわれています。

裁判例

最高裁判所以外の裁判所によるものを指します。
判例とは異なり、法的拘束力を有しません。
その後の裁判で異なる判断がくだされることもあります。
高等裁判所までの裁判は事実審といわれています。

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判例とその読み方:判例が法源となる理由など

今日の「愛され妻」

はじめてUber Eatsでデリバリー注文しました。
夫の帰宅時間にあわせて天ぷらを注文しました。(自宅では揚げ物をしないのです。)
配達員さんの移動がリアルタイムでわかるし、到着予定時刻も出ていて、なかなか楽しかったです。
家で天ぷらを食べられて夫も満足していたので、また注文しようと思います。
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