令和2年度(第70回)税理士試験出題のポイントが公開されました!

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令和2年度(第70回)税理士試験出題のポイントが公開されました!
来年の税理士試験の参考として活用しましょう。

簿記論

第一問

問1

本問は、簿記の基本的な計算構造に関する理解を問うものである。複式簿記における資本利益計算のメカニズムに基づいて、売上戻りと仕入値引を含む3分法による商品売買取引の記帳と商品売買益の算定、それに株式会社の決算における関連する勘定間での利益の振替関係などを含んでいる。また、商品売買の記帳法の多様性の理解についても問うている。

問2

本問は、純資産(資本)に増減をもたらす取引についての簿記処理とその帰結についての理解を問うものである。剰余金の処分、新株予約権の行使、自己株式の追加取得と売却それに消却、その他有価証券の評価差額、任意積立金の取り崩しなどを含んでいる。

第二問

問1

本問は、本支店会計についての理解を問うものである。特に、帳簿上の処理と、簿外で行われる合併財務諸表の作成手続きの違いを理解できているか、また、国内支店とは異なり、貸借対照表で行われる支店の純損益計算、為替差損益計算を理解しているかについても問うている。

問2

本問は、ファイナンスリース取引の会計についての理解を問うものである。特に借手だけでなく、貸手の処理について、リース取引を従来の割賦販売と同様の取引とみて処理する方法と、金融取引とみて処理する方法についての理解も問うている。

第三問

本問は、決算整理前残高試算表から、問題文に示した決算整理事項等に基づき決算整理後残高試算表を作成する総合問題である。
本問は、問題文に示された取引事実等を迅速かつ的確に理解したうえで、あるべき会計処理を迅速に導き出す応用力を判定することを目的としている。
個別的には、現金・預金の残高調整、仮払金の精算、商品、売掛金、減価償却費、貸倒引当金等といった実務における頻出重要項目のほか、割賦販売、税効果会計、金融商品、棚卸資産の評価、ソフトウェア、外貨建て取引等に係る会計基準の基礎的な理解度及び分記法と三分法といった簿記論の基礎的な仕訳並びに計算技術の達成度を問うている。

財務諸表論

第一問

問1

本問は、包括利益の測定と表示について、当期純利益とその他の包括利益に含まれる内訳項目との関連性やクリーンサープラス関係、リサイクリングの根拠及び背景に関する理解を問うものである。

第二問

問1

本問は、財務諸表の構成要素(主として資産・負債の定義)と利益観(資産負債観)に関する基礎的理解を問うものである。また、リース取引の資産化に関する基礎的な考え方を理解しているかどうかについても問うている。

問2

本問は、有形固定資産の除去に要する支出にかかる会計処理に関する基礎的理解を問うものである。具体的には、減価償却方式、引当金方式および資産負債両建処理の基礎的な考え方を理解しているかどうかを問うている。

第三問

本問は、会社法及び会社計算規則の基本的な理解度を広範囲に問うものである。資料を正確に読み取って、貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費の明細、製造原価明細書及び売上原価明細書を適切に作成できるかを問うている。

(1) 総勘定元帳(現金)から期間帰属の理解を問う。
(2) 預金について基本的な組み替え事項に関する理解を問う。外貨建て取引について理解を問う。
(3) 売上の計上に関する理解を問う。
(4) 金銭債権について、「金融商品に関する会計基準」における債権区分の考え方と貸倒引当金の会計処理に関する理解を問う。
(5) 有価証券について、「金融商品に関する会計基準」における有価証券の評価方法等に関する理解を問う。
(6) 棚卸資産について、「棚卸資産の評価に関する会計基準」における棚卸資産の評価基準及び評価方法に関する理解を問う。また、帳簿棚卸高と実地棚卸高の差異についての会計処理の理解を問う。
(7) 有形固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に関する理解を問う。
(8) リース取引について、「リース取引に関する会計基準」に関する理解を問う。
(9) 外貨建債務について、「外貨建取引等会計基準」に関する理解を問う。
(10) 従業員賞与について、その処理と表示に関する理解を問う。
(11) 引当金について、「企業会計原則注解」及び「財務諸表等規則」に準拠した理解を問う。
(12) のれんについて、「企業結合に関する会計基準」に関する理解を問う。
(13) 「ストックオプション等に関する会計基準」に関する理解を問う。
(14) 諸税金の処理について、納付税額の処理方法の理解を問う。
(15) 税効果会計について、「税効果会計に係る会計基準」における繰延税金資産の会計処理と表示に関する理解を問う。

所得税法

第一問

問1

本問は、「給与所得控除」及び「給与所得者の特定支出の控除の特例」について、制度の概要の理解を問うものであり、その主なポイントは次のとおりである。

(1) 給与所得の金額は、その年の給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算することが原則とされていること。
(2) 他方、給与所得者の中には、勤務費用等の額が給与所得控除額を上回る者がいることを踏まえ、勤務費用等を実額で控除することのできる給与所得者の特定支出の控除の特例が創設されたこと。
(3) 給与所得者の特定支出控除の特例は、給与所得控除の要素が「勤務費用の概算控除」と「他の所得との負担調整のための特別控除」と考えられていることを踏まえ、給与所得控除額の2分の1に相当する金額を超える特定支出を支出した場合に適用されること。
(4) 特定支出の範囲は、給与所得者が勤務に伴って通常支出を余儀なくされる勤務費用その他の支出のうち、その支出額が相当程度となり、その負担がその者の担税力を減殺すると考えられる1通勤費、2職務上の旅費、3転任に伴う引越費用、4研修費、5人の資格を取得するための支出、6単身赴任者の帰宅往復旅費、7職務の遂行に直接必要な図書費、衣服費及び交際費で65万円までの金額とされていること。
(5) 給与所得者の特定支出の控除の特例は、確定申告書に適用を受ける旨及び特定支出の額の合計額を記載するとともに、特定支出に関する明細書及び給与等の支払者の証明書を添付した場合に限り適用するとされていること。

問2

本問は、競馬の払戻金に係る所得区分や所得金額の計算方法についての理解を問うものであり、その主なポイントは次のとおりである。

(1) 所得税法上、一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものとされており、雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得とされていること。
(2) 営利を目的とする継続的行為から生じた所得は、一時所得ではなく雑所得に区分されるところ、最高裁判所は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得であるか否かは、文理に照らし、行為の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合考慮して判断するのが相当であるとしていること。
(3) 所得税基本通達においては、競馬の払戻金は、原則、一時所得としつつ、馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合の競馬の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当すると取り扱っていること。
(4) 本事例においては、26レースしか馬券を購入していないこと、年間を通じての収支で多額の利益を上げていないことなどの事実から、回収率が100%を超えるように馬券を購入し続けてきたと認められず、一時所得に区分されること。
(5) 一時所得の必要経費は、一時所得の収入を得るために直接要した金額とされており、競馬の払戻金に係る一時所得の必要経費は、当たり馬券の購入代金となること。
(6) 一時所得の金額の計算上生じた損失の額は、損益通算の対象とならないこと。

第二問

所得税法では、所得を10種類に分類し、これらの各種所得ごとにその所得金額を計算し、課税標準である総所得金額等を計算する。そして、課税標準額から所得控除額を控除して課税総所得金額等を計算し、その総課税所得金額等に対する税額を計算する。問1はこの一連の計算過程の理解を問うものであり、問2は譲渡所得を中心に所得区分の判断と所得金額計算の理解を問うものである。

問1

本問においては、飲食店経営者の事例を通じて、事業所得及び譲渡所得を中心に、一連の計算過程の理解を問うものであり、その主なポイントは次のとおりである。

(1) 収入金額の計算方法
(2) 棚卸資産の評価方法
(3) 店舗立退きに伴い支払いを受けた立退料の所得区分と所得計算
(4) 貸倒引当金の繰戻と繰入の計算
(5) 減価償却資産の償却計算(特別控除額の計算含む)
(6) 雑損控除の計算
(7) 給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の税額控除の計算

問2

本問においては、不動産賃貸業務を行っている給与所得者が不動産と株式を譲渡したという事例を通じて、所得区分と所得計算の理解を問うものであり、その主なポイントは次のとおりである。

(1) 不動産所得における土地取得のための負債利子の扱い
(2) 自己株式取得に応じて譲渡した非上場株式の配当所得と譲渡所得の区分
(3) 上場株式の譲渡と配当の所得区分と所得計算
(4) 居住用財産の譲渡の特例と住宅ローン控除の適用関係
(5) 労働組合から業務報酬の所得区分

法人税法

第一問

本問は、法人税法における基本的な事項の中から、自己株式を取得する場合のみなし配当に関する事項及び内国法人における法人税の納税義務者及び課税標準に関する事項を取り上げて、それぞれの項目について、正しく理解されているかを問うものである。

問1

論点は、法人税法第23条及び第24条の規定の正しい理解である。法人税法上、自己株式の取得は、金融商品取引所の開設する市場で購入するなどのケースを除き、みなし配当事由に該当することとなり、法人が自己株式を取得した場合には、法人税法施行令の規定に基づいて資本金等の額や利益積立金額を減算することになる。
また、法人が株式を取引時の時価よりも著しく低い価額で売却した場合、法人税法第37条や第61条の2の規定がどのように適用されることとなるのか、これらの規定を正しく理解できているかがポイントとなる。

問2

論点は、法人税法第4条、第5条及び第7条の規定の正しい理解である。
法人税法では、普通法人は各事業年度の所得が課税対象とされるが、公益法人等や人格のない社団等は各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得のみが課税対象とされている。この収益事業の意義について正しく理解できているかがポイントとなる。
また、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に基づく「一般社団法人」等に関しては、法人税法上の非営利型法人の要件を満たすものは公益法人等に該当し、要件を満たさないものは普通法人に該当することとされ、同じ法律を根拠とする法人格でありながら、法人税の課税所得の範囲が異なる制度となっている。
さらに、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律に基づく「公益社団法人」等に関しては、公益目的事業として認定された事業については、法人税法上の収益事業から除かれることとされており、これらが正しく理解できているかがポイントとなる。

第二問

本問は、他の税目と比較した場合における法人税の特徴に着目し、役員との取引、出資者との取引等の社外流出に関する事項についての正確な理解を問うものである。

問1

1.役員給与に関する事項
法人税法は、法人の所得を恣意的に調整することを防止する観点から、役員給与の損金算入について一定の制限を行ってきたが、現行法人税法では第34条において損金不算入規定を設け、一定の場合に損金算入を認めるルールを設けている。本問は、その損金算入ルールの正確な理解、特に、事前確定届出給与における役員の職務執行期間の全期間を一個の単位として判定すべきこと等の理解を問うものである。
2.圧縮記帳に関する事項
本問では、圧縮記帳の適用のある代替資産の範囲、圧縮限度額の計算についての理解がポイントとなる。
3.受取配当等に関する事項
受取配当等の益金不算入制度は、株式の保有割合に応じて益金不算入割合が異なっている。本問は、このような受取配当等に係る法人税の課税ルールについて、特に保有割合に応じた控除負債利子の計算や、益金不算入割合の違いの正確な理解を問うものである。
4.所得税額の控除に関する事項
所得税額の控除の計算は、実務上接する機会が多い項目であり、細かく粘り強い計算力が求められる点が特徴である。具体的には、当該規定が元本所有期間に対応する部分の金額だけが税額控除の対象となること、原則的な計算方法と簡便的な計算方法について法人に選択が認められている点について、正確な理解を問うものである。

問2

特定同族会社の特別税率(留保金課税)の規定は、社外流出を促す税制として、重要性の高い項目であると考えられる。具体的には、留保金課税の基本的な構造、留保所得金額の計算上、控除する法人税等や、留保控除額の正確な知識がポイントとなる。

相続税法

第一問

問1

相続税の申告書の提出期限までに共同相続人及び包括受遺者の間で遺産分割が調わない場合には、その分割がされていない財産については、各共同相続人及び包括受遺者は、民法(第904条の2(寄与分)を除く。)の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従ってその財産を取得したものとして、相続税の課税価格を計算することとされており、その後、分割が調った時点で、更正の請求又は修正申告等の手続により、相続税の課税価格及び相続税額の是正を図ることとされている。
本問は、相続税の申告書の提出期限までに共同相続人の間で遺産分割が調わない場合において、相続税の申告に当たって注意しなければならない小規模宅地等の特例に関する手続を問うとともに、相続税の申告書の提出期限までに分割されていなかった財産が、その後、分割された場合における相続人等が行う申告等の特則規定の手続について説明を求めるものである。
また、民法における特別寄与料の制度創設にともない、令和元年度税制改正により設けられた特別寄与者及び特別寄与料を支払った者の課税関係に係る相続税法の規定を理解しているか、特別寄与者が相続人ではないことから、相続税の基礎控除額、相続税の総額、税額の計算において、相続人と異なる取扱いがあることを正しく理解しているかがポイントとなる。

問2

相続税法は、法律的には贈与により取得したものではない財産であっても、実質的には贈与により取得した場合と同様の経済的効果を持つ財産については、課税の公平を図る観点から贈与により取得したものとみなして贈与税の課税対象としている。
本問は、相続税法の実務において非常に重要な低額譲受及び債務免除が行われた場合に適用される相続税法の規定及びその趣旨について正しく理解されているかを問うものである。

第二問

本問は、相続税法(関係のある租税特別措置法を含む。)全般に関する理解度を測るため、相続人、法定相続人の判定に始まり、個別の財産評価、課税価格、相続税の総額、各相続人等の納付すべき税額に至るまでを、計算過程を示して解答する総合問題であり、主なポイントは次のとおりである。

1. 法定相続人に適用のある規定と相続人に適用のある規定を正しく理解しているかどうか。
2. 宅地の評価を理解しているかどうか。
3. 家屋の評価を理解しているかどうか。
4. 取引相場のない株式の評価方法を理解しているかどうか。
5. 貸付金の評価方法を理解しているかどうか。
6. 譲渡担保の取扱いを理解しているかどうか。
7. 上場株式の評価方法を理解しているかどうか。
8. 転換社債の評価方法を理解しているかどうか。
9. 未払い家賃の取扱いを理解しているかどうか。
10. 小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例の制度を理解しているかどうか。
11. 負担付遺贈の取扱いを理解しているかどうか。
12. 債務・葬式費用の控除を理解しているかどうか。
13. みなし相続財産である生命保険金等、生命保険契約に関する権利、保証期間付定期金に関する権利の取扱いを理解しているかどうか。
14. 生前贈与された財産について、相続税の課税価格に加算される財産の範囲と贈与税額控除を理解しているかどうか。
15. 贈与により直系尊属からの結婚・子育て資金の一括贈与を受けていた場合の、拠出金残額の取扱いについて理解しているかどうか。
16. 相続税額の2割加算の制度を理解しているかどうか。
17. 配偶者に対する相続税額軽減の制度を理解しているかどうか。
18. 未成年者控除の制度を理解しているかどうか。
19. 障害者控除の制度について、過去に障害者控除を受けたことのある場合における控除限度額の計算を理解しているかどうか。

消費税法

第一問

問1

我が国の消費税は、前段階税額控除として課税仕入れ等に係る消費税額の控除を受けるためには、その課税仕入れ等に関する仕入先等の諸事項が記載された帳簿及び請求書等を保存していること等が要件とされている。軽減税率制度が実施され、いわゆる区分記載請求書等についての記載事項や、また、クロス・ボーダー取引における国外事業者から受けた事業者向け電気通信利用役務の提供以外の電気通信利用役務の提供(いわゆる消費者向け電気通信利用役務の提供)に係る仕入税額控除についての適用関係について正しく理解していることが必要であり、その内容を問うものである。
また、帳簿及び請求書等の保存以外に仕入税額控除の要件とされるものについて正しく理解していることが実務においても必要であり、その内容を問うものである。

問2

本問においては、事例に沿って、課税資産の譲渡等の対価の額の意義、軽減税率制度における飲食料品や一体資産の譲渡の考え方、飲食料品を生産する農林水産業に係る簡易課税制度のみなし仕入率の考え方等、実務において必要な知識を問うものである。

第二問

問1

消費税の納付税額の計算に当たっては、課税資産の譲渡等の範囲、資産の譲渡等の時期及び課税標準の算定に関する事項を理解するとともに、仕入れに係る消費税額をはじめとする各種税額控除等について幅広く理解しておく必要がある。
また、消費税法の改正による消費税率の引上げに伴い、取引時期による適用税率、軽減税率対象品目に係る税率についても理解しておく必要がある。
そこで、本問においては、以下の事項を中心として、納付すべき消費税額を算出させることで消費税法の総合的な理解度を問うものである。

1 売上げについて課税取引、免税取引及び非課税取引の判定を適正に行い、課税標準額に対する消費税額が正しく算出されているか。
2 仕入控除税額の計算に当たって、課税仕入れの範囲とその時期、個別対応方式と一括比例配分方式による計算方法等について正しく理解しているか。また、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものとの区分を正しく行うことができるか。
3 課税売上割合の算定に当たり、非課税資産の輸出等の取扱いについて正しく理解しているか。

問2

本問においては、吸収合併があった場合を例に挙げ、法人の納税義務の判定、簡易課税制度の適用の有無の判定及び簡易課税制度の適用がある場合の事業区分ごとの金額を算出させることで消費税法の総合的な理解度を問うものである。

酒税法

第一問

酒類を製造しようとする者は、酒税法の規定に基づき、税務署長の免許を受けなければならないこととされている。

問1

本問は、酒税法に規定する免許の要件及び構造改革特別区域における清酒の製造体験のための酒税法の特例規定(構造改革特別区域法第27条)について、理解を問うものである。

問2

本問は、同条第9項における当該特例の承認が取り消された場合等の趣旨及びその法律効果について、理解を問うものである。

第二問

本問は、酒税法の総合的な理解を問うため、製造場から移出した酒類について、酒類の品目及びその判定理由並びにその酒類の課税標準数量に対する酒税額、控除を受けようとする酒税額、納付すべき酒税額までの算出を求めるものである。
主なポイントは次のとおりである。

(1) 原料、製法等による酒類の分類を理解しているか。
(2) 各品目の税率の計算方法を理解しているか。
(3) 酒税の課税標準の規定や免税の規定を理解しているか。
(4) 租税特別措置法に定める酒税の税率の特例の規定を理解しているか。
(5) 戻入控除等の適用要件及び控除額の計算方法を理解しているか。

国税徴収法

第一問

問1

不動産等の公売において、徴収職員は、見積価額以上の入札者等のうち最高の価額による入札者等を最高価申込者として定めなければならない(徴法104)。
また、徴収職員は、最高価申込者の決定をした後、次順位の入札者から買受けの申込みがされた場合には、その者を次順位買受申込者として決定しなければならない(徴法104条の21)。この場合、次順位による買受けの申込みをした者が複数あるときは、次順位買受申込者は、くじで定めることとしている(同条3)。
本問は、公売における次順位買受申込者を決定する趣旨についての正確な理解がポイントとなる。

問2

(1) 質権、抵当権等の第三者の権利の目的となっている財産が差し押さえられた場合には、その第三者は、税務署長に対し、滞納者が他に換価の容易な財産で他の第三者の権利の目的となっていないものを有し、かつ、その財産によりその滞納者の国税の全額を徴収することができることを理由として、その差押換えを請求することができる(徴法501)。
また、被相続人の国税について相続人の固有財産が差し押さえられた場合には、その相続人は、税務署長に対し、他に換価が容易な相続財産で第三者の権利の目的となっていないものを有しており、かつ、その財産によりその国税の全額を徴収することができることを理由として、その差押換えを請求することができる(徴法512)。
本問は、これら第三者の権利の目的となっている財産の差押替え及び相続人の固有財産の差押換えについての正確な理解がポイントとなる。
(2) 強制換価手続により配当を受けることができる債権者は、交付要求があったときは、税務署長に対し、1その交付要求により自己の債権の全部又は一部の弁済を受けることができないこと及び2滞納者が他に換価の容易な財産で第三者の権利の目的となっていないものを有しており、かつ、その財産によりその交付要求に係る国税の全額を徴収することができることを理由として、その交付要求の解除すべきことを請求することができる(徴法851)。
本問は、この交付要求の解除の請求についての正確な理解がポイントとなる。

第二問

第二問は、換価の猶予(徴法151の2)を受けるに当たって、その要件及び申請手続、また、受けた後に適用される一連の制度(猶予の取消しの可否、納付計画の変更、猶予期間の延長)及び、新たに発生した国税に係る猶予の措置についての理解度を問うものである。

問1

税務署長は、職権による換価の猶予によるほか、滞納者がその国税を一時に納付することによりその事業の継続又はその生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合において、その者が納税について誠実な意思を有すると認められるときは、その国税の納期限から6か月以内にされたその者の申請に基づき、一年以内の期間を限り、その納付すべき国税につき換価の猶予をすることができる(徴法151の21)。
また、換価の猶予の申請をしようとする者は、国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持が困難となる事情の詳細や納付すべき国税の年度、税目、納期限及び金額などの事項を記載した申請書に、財産目録その他の資産及び負債の状況を明らかにする書類、担保の提供に関する書類などを添付し、これを税務署長に提出しなければならない(同法3、徴令5312)。
本問は、設例における事実関係から、納税者の申請に基づく換価の猶予に関して、その要件及び手続について、正しく理解できているかがポイントとなる。

問2

換価の猶予を受けた滞納者は、猶予期間内の各月において、その財産の状況等からみて合理的かつ妥当な金額により、分割して納付しなければならない(徴法1521)。
分割納付が不履行となった場合や新たに猶予に係る国税以外の国税を滞納した場合であっても、その不履行となったことや新たな国税を滞納したことにつきやむを得ない理由があると認められるときは、換価の猶予を取り消すことなく(徴法1524、通法491二、四)、引き続き猶予を継続することができる。
この場合において、やむを得ない理由があり、今後、分割納付の計画どおりに納付することができないと認められるときは、その納付計画を変更することができる(徴法1524、通法469)。
この納付計画の変更は、当初の猶予期間を超えて行うことはできないものの、やむを得ない理由により、当初の猶予期間内に完納できないと認められるときは、納税者の申請に基づき、猶予期間を延長することができる(徴法1524、通法467)。
なお、納税者からの延長申請がない場合であっても、税務署長は、納税者が法令の要件に該当すると認められる場合には、職権により換価の猶予をすることができる(徴法151)。
また、申請に係る国税以外の国税について滞納がある場合には、換価の猶予は適用できないこととされているが、その国税について換価の猶予の適用を受けている場合には、適用を受けることができる(徴法151の22)。
本問は、設例における事実関係から、換価の猶予を継続するに当たっての措置について、正しく理解できているかがポイントとなる。

住民税

第一問

問1

本問は、道府県民税利子割、道府県民税配当割及び道府県民税株式等譲渡所得割について、所得税における同様の源泉徴収制度と異なる点を中心に理解を問うものであり、主なポイントは以下のとおりである。

(1) 納税義務者の住所に係る要件
(2) 特別徴収義務者の範囲・道府県への納入方法
(3) 個人住民税所得割に係る道府県民税配当割額又は道府県民税株式等譲渡所得割額の控除の適用要件・控除額

問2

本問は、公的年金等に係る所得に係る個人住民税の特別徴収制度についての理解を問うものであり、主なポイントは以下のとおりである。

(1) 対象者及び対象となる給付
(2) 前年中の公的年金等に係る所得に係る所得割額及び均等割額の合算額の2分の1に相当する額を徴収税額とする旨
(3) 前年度から特別徴収の対象となっている者かそれ以外の者かに応じ、当該年度の前半と後半に分けて、一定の方法により徴収を行う旨/li>

第二問

本問は、個人の住民税(市町村民税・道府県民税)の税額の算出を通じて、個人住民税に関する地方税法の規定の適用についての総合的な理解を問うものである。特に、税額の算出過程における所得税の取扱いとの差異、非課税となる者の範囲について正しく理解しているかを問うものであり、主なポイントは以下のとおりである。

(1) 所得計算
利子所得
配当所得
事業所得
給与所得
退職所得
山林所得
譲渡所得
雑所得
(2) 所得控除
社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
生命保険料控除
地震保険料控除
人的控除
(3) 住民税の特別徴収に係る計算
退職所得
利子割
配当割
(4) 税額控除
調整控除
寄附金税額控除
(5) 非課税判定

事業税

第一問

問1

本問は、特定内国法人の課税標準の算定方法について、正しく理解しているかを問うものであり、主なポイントは次のとおりである。

特定内国法人の所得割の課税標準の算定方法
特定内国法人の資本割の課税標準の算定方法

問2

本問は、医業を行う個人の事業税及び医療法人の事業税について、正しく理解しているかを問うものであり、主なポイントは次のとおりである。

医業に係る個人の事業税と医療法人の事業税の課税標準の算定期間及び算定方法
医業に係る個人の事業税と医療法人の事業税の標準税率及び制限税率
個人事業税の賦課徴収
法人事業税の申告納付

第二問

問1

本問は、特定内国法人の課税標準の算定方法について、正しく理解しているかを問うものであり、主なポイントは次のとおりである。

特定内国法人の所得割の課税標準の算定方法
特定内国法人の資本割の課税標準の算定方法

問2

本問は、医業を行う個人の事業税及び医療法人の事業税について、正しく理解しているかを問うものであり、主なポイントは次のとおりである。

医業に係る個人の事業税と医療法人の事業税の課税標準の算定期間及び算定方法
医業に係る個人の事業税と医療法人の事業税の標準税率及び制限税率
個人事業税の賦課徴収
法人事業税の申告納付

固定資産税

第一問

問1

本問は、固定資産税の情報開示制度及び審査申出制度について、基本的な理解を問うものである。

問2

本問は、固定資産税の納税義務者について、相続が発生した場合や共有の場合を例にとり、その理解を問うものである。

第二問

本問は、税額の計算問題を通して固定資産税制度の総合的な理解力を問うものである。

問1

宅地についてはその地目や用途により負担調整措置(前年度課税標準額の設定方法、負担引き上げ方法、課税標準額の上限の設定方法)や住宅用地特例の適用関係に違いがある。家屋については新築住宅の場合には税額の特例措置がある。
本問は、地目や用途の変更があった場合の土地及び家屋の税額算定を通じて、これらの総合的な理解を問うものである。

問2

本問は、償却資産の固定資産税額について、減価償却及び課税標準の特例措置の適用並びに総務大臣が価格等を決定することとされる移動性償却資産等の関係市町村への価格等の配分方法について、船舶の税額算定を通じて基本的な理解を問うものである。

今日の「愛され妻」

私「今日さ、予想のナナメ上のことがあってさ~」
夫「ナナメでも上なんやったらエエやん~」

夫のこういうポジティブなところは見習いたいと思います。

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